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※わかりやすさの為発言の順番を入れ替えています。正確な答弁については議会映像配信および議事録をご覧ください。
医療現場、教育・保育現場、市民の皆さま、行政の皆さまにおかれましては、新型コロナ感染症へのご対応、心から感謝申し上げます。今回私が質問させていただく子宮頸がんは、新型コロナ感染症と同じくウイルスによって発病するものです。そして子宮頸がんは非常に効果の高いワクチンが開発されており、発病を防ぐことができます。また、様々な実験・研究によりその安全性は裏づけられております。ぜひ市民の皆さま、行政の皆さまには新型コロナと同等の高い関心を持っていただきたいという思いで質問をいたします。それでは通告の質問に移ります。 そのように非常に効果の高いHPVワクチンですが、法律に基づいて公費負担で実施される定期接種である一方、全身の痛みなどを訴える接種者の声を受け、2013年6月から積極的勧奨を一時停止するというちぐはぐな状況が続いていました。しかし、最新の知見を踏まえ、改めてHPVワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認されたため、昨年11月厚生労働省より勧奨停止の廃止及び令和4年4月から予診票の個別送付等による接種の個別勧奨をするべきという技術的助言が発せられました。
命を守るHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)について。
子宮頸がんは、子育て世代の母親が家族を残して亡くなるケースが多いことからマザーキラーと呼ばれています。厚生労働省のパンフレットによると、毎年約1万1,000人の女性が子宮頸がんにかかり、毎年約2,800人の女性が亡くなっています。30歳代までにがんの治療で子宮を失い、妊娠できなくなってしまう人も毎年約1,200人おります。
確率でいうと一生のうちに子宮頸がんになる人は1万人当たり132人、亡くなる人は1万人当たり30人です。菊川では毎年約200人の女子中学生が卒業するので、10年間で考えると2,000人の卒業生のうち26人が子宮頸がんになり、6人が亡くなってしまう計算です。HPVワクチンを接種することで、子宮頸がんの原因の50%から70%を防ぐことができます。HPVワクチンの接種を1万人が受けると、受けなければ子宮頸がんになっていた約70人ががんにならなくて済み、約20人の命が助かると試算されています。
4月以降HPVワクチンの接種をどのように実施していくかは、菊川市にとっても命や健康が密接に関わる最も重要な課題の一つです。以下、事実に基づいた理解を広め、勧奨の停止以降急減してしまった接種率を向上させるような取組を実行するべきという観点で質問をいたします。
当市におけるHPVワクチン接種対象者へのこれまでの情報提供方法及び接種者の推移について伺います。
渥美議員の命を守るHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)についてのご質問にお答えします。
最初に、HPVワクチン接種対象者へのこれまでの情報提供方法と接種者の推移についてですが、HPVワクチンは子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスの感染を予防するワクチンであり、平成25年4月から予防接種法の規定に基づく定期接種として、小学校6年生から高校1年生相当までの女子を対象に実施しているものです。
現在の本市におけるワクチン接種対象者への情報提供についてですが、平成25年6月に積極的な接種勧奨が差し控えられたことに伴い、平成26年度以降は接種対象者への予診票の個別通知は実施しておらず、市ホームページでの情報提供にとどめている状況です。
しかしながら、昨年度には「規定の接種期間内に接種を受けないと公費負担の対象にならないこと」を接種対象年齢の人に周知するよう厚生労働省から地方自治体に要請があり、本市においては昨年度から定期接種の最終学年となる高校1年生相当の女子を対象に定期接種の案内通知を発送するなど、HPVワクチンについての情報提供を実施してきたところです。
接種者の推移ですが、定期接種が開始された平成25年度の133人をピークに年々減少しており、令和元年度までは10人以下となっていました。しかしながら、国の指示により定期接種の案内通知を発送した令和2年度には20人、本年度1月末までは61人と、通知を送付した2年間は接種者数が増えている状況です。
積極的勧奨を差し控えている間に定期接種の対象であった平成9年度生まれから平成17年度生まれの9学年の女子について、HPVワクチンの積極的な干渉を差し控えたことにより接種機会を逃した方に対して公平な接種機会を確保するため、キャッチアップ接種を行う国の方針が示されました。市内の未接種者の把握状況とキャッチアップ接種について考えられる措置を伺います。
未接種者の把握状況とキャッチアップ接種について考えられる措置についてですが、キャッチアップ接種の対象となる平成9年度から平成17年度生まれまでの女子の人数は1,550人程度と見込んでおります。
公費負担で接種できるキャッチアップ接種の期間は、令和4年4月から令和7年3月までの3年間となっています。接種を希望する人が期間内に漏れなく接種できるよう、4月以降個別に制度の案内通知を発送する予定ですが、具体的な周知方法については国から追って示される予定となっていますので、指示に従い対応してまいります。
来年度からのHPVワクチン接種について、来年度当初予算では1人3回接種する計算で237人分の予算が上程されていますが、こちらの積算根拠を伺います。
子育て応援課長でございます。当初予算の積算根拠についてですが、当初予算の積算時点、令和3年11月末における令和3年度の接種実績が1学年当たりに換算しますと実人数で約12人程度でした。来年度は積極的な接種勧奨を再開するため、今年度の実績に対して1学年当たりプラス5人の17人程度の見込みとして、キャッチアップ接種分を含めた14学年237人、延べ711人分を予算計上しております。
ちょっと確認なんですけども、来年度は個別通知、個別勧奨というのを行うのか、その対象者を伺います。
子育て応援課長でございます。来年度の接触勧奨についてですが、接種推奨年齢である中学1年生から定期接種の最終学年となる高校1年生相当までの女子への接種勧奨の通知を発送いたします。それと、キャッチアップ接種の対象となる平成9年度から平成17年度生まれまでの女子を対象に制度の案内通知を発送する予定でございます。
厚生労働省の通知では定期接種実施の例として、令和4年度は同年中に13歳になる女子と16歳になる女子と2学年に対して個別勧奨を進めることが記されておりました。先ほどの答弁ですと来年度は中学1年生・2年生・3年生、高校1年生の4学年だと思うんですけども、こちら各学年の女子が200人いる計算だと、4学年だと仮に対象者が100%接種を希望した場合は200掛ける4、800人になると思うんですけども、これプラスさらにキャッチアップ接種ということで、平成17年度、平成9年度の9学年にこちらもキャップ接種というのも同時に進めていかなければならない、そのような状況だと思います。希望者全員が接種できるように柔軟で十分な予算、そしてワクチンの接種環境の確保、こういったものが必要だと考えますがその方針を伺います。
子育て応援課長でございます。来年度は9年ぶりにHPVワクチンの積極的な接種勧奨が再開されます。どの程度の方が接種を希望されるのか、見込みは大変難しいところですが、先ほどご説明をさせていただきました積算根拠に基づき237人、延べ711人分を予算計上させていただいております。予算につきましては接種状況を確認する中、希望する方が漏れなく接種できるように適切に対応してまいりたいと考えております。
確認なんですけども、というのは予算のときの予測以上の希望者がいた場合は予算とかワクチンとかを追加で確保するということでしょうか。
子育て応援課長でございます。予防接種費の委託料につきましては、子宮頸がんワクチンだけでなくて11種類の予防接種について予算を確保しておりますので、その中で多少接種率の下がるものもあればちょっと増えるものもあればという中で予算管理をして、必要があればまた議会にお諮りをして予算を改めて確保させていただくとか、そういった対応させていただきたいと考えております。
もう一個答弁の中の確認なんですけど、来年度は中1・中2・中3・高1、4学年に対して通知ということなんですけども、これ再来年度というのはもう1回通知をするのか、ちょっとここら辺確認させていただきます。
子育て応援課長でございます。予診票を入れた接種勧奨につきましては、新たに中学1年生、要は定期接種の対象になった方に通知を出す予定でございます。そのほかは、ちょっとここはまだ検討中ですが、未接種になっている方についてははがきとかそういったもので接種を呼びかけるとか、そういった対応も今後ちょっと検討してまいりたいと思っています。
次の再質問に移ります。キャッチアップ接種については9学年が対象ですが、こちらも先ほど対象者把握状況伺ったところ1,550人程度という答弁でした。こちらも実施期間が僅か3年ということで、単純計算だと1年で大体500人程度を最大限実施が必要だと思うんですけども、確実で漏れのない情報提供と希望者全員への接種実施をしていただきたいと思います。この3年間、具体的にどのような計画でキャッチアップ接種を進めていくか、現段階で分かる範囲でよいので教えていただきたいと思います。
子育て応援課長でございます。キャッチアップ接種の計画についてですが、来年度、令和4年度は対象者全員に案内通知のほうを発送する予定です。令和5年度以降は未接種の方に改めてはがき等で案内通知を送付し、希望する人がキャッチアップ接種期間内に漏れなく接種できるように周知に努めてまいります。
高校3年生を超える対象者、大学に進む方は大学1年生、社会人になっているような方もいると思うんですけども、そういう方は市外とか県外にいる可能性もあるんじゃないかと思うんですけども、そういう方への配慮とかそういったものがあるか伺います。
子育て応援課長でございます。県外にいる方、例えば大学生など菊川市に住所を置いたまま県外に住んでいる方につきましては、居住地に近い医療機関で接種することができます。事前に子育て応援課にご連絡を頂いて、一旦は全額自己負担で接種をしていただきますけども、接種後に子育て応援課の窓口に領収書であったり接種証明、母子手帳などをご持参頂き助成金の申請をしていただければ、小笠医師会との契約単価等がありますので、そちらを上限に接種費用の助成を行ってまいります。
HPVワクチンの接種後の副反応や何らかの症状について、市内の発生状況を伺います。また、接種に対して不安を持っている方への対応や接種後に何らかの症状が生じた方へのサポート体制を伺います。
3つ目のHPVワクチン接種の副反応等の市内発生状況は。接種に不安を持つ方への対応や接種後に症状が生じた方へのサポート体制についてですが、市内におけるHPVワクチン接種による副反応等については、これまでのところ報告はありません。接種に関する相談窓口は市立総合病院の産婦人科に設置されており、電話やメールによる相談も受け付けております。接種後に気になる症状等が生じた際のサポートについては、まずは接種を行った医療機関の医師に相談し受診していただくこととなり、必要に応じて県が選定したHPVワクチン接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関への受診について、接種医療機関の医師と相談していただくこととなります。このようなサポート体制についても今後さらなる周知に努めてまいります。
接種率の向上のため、行政による啓発・情報発信、小中学校への協力要請、医療機関との連携などが必要と考えますが、今後の方針を伺います。
接種率向上のための行政による啓発・情報提供、小中学校への協力要請、医療機関との連携の今後の方針についてですが、接種について検討・判断ができるようHPVワクチンの有効性や安全性について正しく理解していただく必要があります。定期接種・キャッチアップ接種対象者への個別通知や市ホームページ、市公式LINEなどのSNSで希望する人が接種できるよう丁寧な情報提供をしてまいります。学校や医療機関との連携については、市立総合病院の医師を講師として、中学3年生を対象とした思春期教育講座を開催しております。この中で性感染症に関する教育の一環として、HPVワクチン接種の重要性や必要性についての講話を行っており、今後も引き続き実施してまいります。
次の再質問に移ります。 接種率向上のためにホームページへのパンフレットや予診票のアップロード、またSNSへの情報発信など考えられますが、菊川市が接種率の向上のために取り組む具体的な方針などがあればお伺いいたします。
子育て応援課長でございます。来年度の取組についてですが、HPVワクチンの有効性や安全性、リスク等について十分理解した上で希望する人が漏れなく接種できるように、SNSを活用した情報発信を積極的に実施してまいります。リーフレットにつきましては、厚生労働省のほうで2月末に最新の科学的知見等を踏まえた内容に記載内容を更新しまして、ホームページ上で公開をしています。ワクチンの効果やリスク、子宮頸がんの罹患率などのデータ等が載っておりますので、市ホームページにリンクを貼るなど情報提供をしてまいります。 予診票のアップロードにつきましては、自由に取得できるメリットはありますけども、予診票を配付した方、またその中で接種した方というのをしっかり管理していきたいという考えがありますので、アップロードについては今後の参考とさせていただきたいと思います。
SNSでの情報発信などについてはこれまでの経緯、積極的な勧奨が停止してしまっていたという経緯もありますので、ぜひ一度やったからこれでよしという感じではなくて、やっぱり命、健康の関わることですから必要に応じて何度でも情報発信をしていっていただきたいと思います。
最後の質問になります。
HPVワクチンの接種については行政の通知や情報提供の方法が対象者の意思決定に大きく影響します。事実、HPVワクチンは継続的に定期接種として登録されていたにも関わらず、積極的勧奨の停止や個別通知の停止によって接種者数は大きく減少してしまいました。また、近年厚労省の通知をもって個別の案内を開始したところ、すぐに接種接種率の向上が見受けられました。こういったことからも行政の有する責任というのは非常に大きいところだと思います。
来年度からのHPVワクチン関連の事務執行の小さな違いが菊川市民の一人の女性の人生を左右するかもしれません。一人ではなく何人もの女性、そしてその家族の人生を大きく左右するものかもしれません。ぜひそのような思いで、国の通知にとらわれず確実で十分な事務の執行をお願いしたいと思いますが、最後に方針を伺います。
こども未来部長です。ありがとうございます。情報発信ですとか情報の提供につきましては、今回の議会でもいろいろご議論、ご意見を頂いたところでございます。また、施政方針のほうでも「伝えるのではなくて伝わるように工夫をすることが大切だ」ということで述べられているところでございます。このHPVワクチンの方を積極的な接種勧奨の再開に当たっても、接種を判断するためのワクチンの有効性、安全性、リスクに関する情報提供が最も重要であるというふうに考えてございます。繰り返しになりますけれども、接種を検討される方にHPVワクチンの情報を正しく理解していただくために、伝わるように努めてまいりたいというふうに思っております。接種を希望する人が漏れなく接種できるように周知・啓発に努めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
このHPVワクチン接種の積極的勧奨が停止された背景には、体の痛みなどを訴える接種者の声がありました。その後様々な研究によってHPVワクチンと体の痛みなどの症状、この関連については有意性が否定されました。関連性が認められなかったということになります。しかしワクチンとの関連性にかかわらず、体の痛みなどの症状、これは実在する重大な問題です。今後も接種者の声に寄り添い、しっかりとフォローしていくことが必要です。
ただ、重要なことはワクチンの積極的勧奨と接種者へのフォローは全く矛盾することではなくて、両立するということです。我々市民、そして行政はこの事実をしっかりと捉える必要があると思います。ぜひ菊川市行政には命を守るHPVワクチン接種の積極的勧奨、文字どおり積極的勧奨、つまり積極的によいことだと勧めて励ましていくこと、こういったことをお願い申し上げます。
子宮頸がん9価ワクチンを希望する方に対しての接種費用の一部助成を、菊川市でも是非ともご検討いただきたいと思っています。
いつも大変お世話になっております。重要なご指摘、誠にありがとうございます。9価ワクチンへの助成についても、今後に菊川市に投げかけさせていただきます。今後も何卒宜しくお願いいたします。感謝を込めて。