最下部にコメント欄があります。ご意見等ございましたらぜひコメントして下さい。(全てに返信はできませんがすべて読ませていただきます。)

※動画を元に要約した内容を記述しておりますので、正確な答弁については議会映像配信および議事録をご覧ください。

渥美よしき渥美よしき

海外輸出も視野に入れた茶業振興について。突然ですが、好きな人にプレゼントを贈ってあげるとき、どのようなことを考慮するべきでしょうか。いろいろな考え方があると思いますが、一番考慮すべきことは、相手の好み・ニーズではないでしょうか。
この考え方は、茶業振興でも同じだと思います。一番考慮すべきことは、やはり消費のニーズであります。国内のお茶のニーズは明らかに停滞傾向であり、今後、人口減少によって、さらに需要が落ち込むことが予想されます。
一方、海外輸出に目を向けると、緑茶の需要は高まっています。緑茶の輸出総額は、財務省貿易統計によると、平成22年の42億円から令和2年の162億円へ、10年間でなんと約3倍増です。さらに、農水省が令和2年に策定した茶業及びお茶の文化の振興に関する基本方針では、輸出茶の生産目標が、平成30年の0.5万トンに対し、令和12年には2.5万トンです。なんと約5倍増です。それだけ輸出需要が伸びると見込まれているのです。
そのような状況の中、菊川でも国内向けの茶業振興に継続的に力を入れつつ、海外輸出にも本腰を入れて取り組んでいくことが絶対に必要です。そのような考えの下、質問いたします。

渥美よしき渥美よしき

2月定例会にて茶業課題の洗い出しを行うという答弁がありましたが、その結果を伺います。

長谷川市長長谷川市長

2月定例会で答弁があった茶業課題の洗い出しの結果についてですが、5月21日に、生産者、茶商、JA、商業者の方々と私とで意見交換会を開催しました。その結果になりますが、課題としては、農業従事者や組織の高齢化、後継者不足が上げられました。また、今後の方向性としては、「昔のように戻りたいのか、先に向かっていくのか」「思い切って変える時代に来ている」と。「経営が成り立ってこその産地だ。経営が成り立てば後継者が生まれてくる」「儲からないと駄目だ」など、たくさんの率直な意見が出されました。今後さらに多くの方々の意見を聞くとともに、様々なデータを分析し、課題を洗い出していきたいというふうに考えています。

渥美よしき渥美よしき

菊川市茶業振興計画では、海外輸出に関連する計画が記載されております。具体的には、①需要の多様化に対応した生産体系の構築(抹茶などの生産拡大や輸出・インバウンドに対応した生産製造体系の構築)、②自然に優しいお茶づくりの推進(有機栽培へ取り組む経営体育成や補助事業)、③輸出による消費拡大推進などがあります。これらの計画に対するこれまでの取組を教えてください。また、市長の輸出に対する今後の取組の考え方も伺います

長谷川市長長谷川市長

輸出に関するこれまでの取組についてですが、日本茶の輸出拡大のため、海外バイヤーとの商談会や海外輸出に向けた商談スキルアップセミナーを日本貿易振興機構JETROと連携し開催しました。また、静岡茶輸出拡大協議会の主催により、お茶の輸出に関する研修会や展示会、商談会などを毎年実施しておりますので、市内の茶商や茶農協の方々に紹介し、ご参加いただいております。

渥美よしき渥美よしき

お茶の輸出を推進する場合、課題になるのが、販路の確保と農薬基準のクリアです。これらは非常に難しい課題です。しかし、だからこそ、菊川でこの課題を克服できたのなら、菊川の茶業は強みのある成長産業として盛り上がっていくことと思います。
そこで問います。販路の確保については、JETRO(日本貿易振興機構)、日本茶輸出促進協議会、また、市内外の輸出先進事業者などと連携・対話などが考えられますが、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
また、農薬基準のクリアについては、有機茶生産や有機JAS認定等への助成や補助、有機茶農地の計画的かつ柔軟な集積、農水省、有機農業と地域振興を考える自治体ネットワークや市内外の有機茶先進事業者などとの連携・対話などが考えられますが、今後どのように取り組んでいくのか伺います。

長谷川市長長谷川市長

今後も輸出による消費拡大を推進していくため、日本貿易振興機構JETROなどの関係機関と連携し、海外バイヤーと接する機会を増やしていきたいと考えております。
農薬基準のクリアについて、今後の取組についてですが、残留農薬基準のクリアや有機栽培への取組は、輸出するに当たり非常に重要な条件であります。国の制度になりますが、有機栽培や輸出向け栽培などへの転換の支援がございますので、今後はこの制度を広く周知していくとともに、国や県、日本貿易振興機構JETROや静岡茶輸出拡大協議会、さらには、市内外の先進事業者や先進市などから輸出に必要な情報を収集し、その内容を市内の茶業関係者などの参考になるように情報提供をしてまいります。
お茶の輸出については、議員がおっしゃるとおり、今後、海外でのお茶の需要は伸びていくものと考えますので、今まで以上に調査研究に努めてまいります。

渥美よしき渥美よしき

国内向けの茶業振興に継続的に力を入れるということに関してご質問いたします。
一番確実で重要な茶業振興は、市内の子供たちにお茶を飲む習慣をつけてもらうことであると思います。現在、市内小・中学校にて給食時にやかんのお茶が飲まれていますが、やはり急須で入れたおいしいお茶を継続的に飲んでもらうことが、子供たちの茶飲習慣につながると思います。
そこで、週1回でも学校給食時に急須で入れたお茶を飲めるような施策を、市長のリーダーシップで実現していただきたいと思いますが、考えを伺います。

長谷川市長長谷川市長

給食時に急須でお茶が飲める取組についてですが、茶文化の振興においても、急須で入れたおいしいお茶を飲んでいただくことは大変重要であると考えます。本市においては、T1グランプリの開催や出前行政講座によるお茶の入れ方教室の実施、結婚記念品として急須をプレゼントするなど、急須でお茶を飲んでいただく取組を行っております。議員が言われる給食時に急須でお茶が飲める取組については、教育現場の状況もありますので、後ほど教育長から答弁いたします。

渥美よしき渥美よしき

静岡県では、小中学校の児童生徒の静岡茶の愛飲の促進に関する条例が制定されており、その第3条には、小・中学校の設置者の責務として、「当該小・中学校における給食、休憩等の時間において当該児童生徒が静岡茶を飲む機会及び当該児童生徒に対する静岡茶の食育の機会を設けるよう努めるものとする」とあります。ぜひ児童生徒が給食時に急須でお茶を飲めるようにしていただきたいのですが、教育長のお考えも伺います。

教育長教育長

給食時に急須でお茶が飲める取組についてお答えします。例年、高品質な地元のお茶を子供たちに味わってもらうためにと、本市の各小・中学校にJA遠州夢咲茶業委員会等から飲み茶を頂いております。給食時にはその茶葉を使い、事務職員がやかんで準備したお茶を飲んでおります。また、出前授業でお茶の入れ方を学んだり、実際に急須で入れ、味の違いを飲み比べたりする体験や、お茶の手もみ教室、お茶摘み体験など、様々な体験を通して本市のお茶に触れ合い、学びを深めております。
一方、限られた給食の時間の中で、急須で入れるお茶を準備し、それを飲むことや、指導に伴う時間を確保することは難しいと考えております。引き続き給食時にお茶を頂いたり、総合的な学習の時間の授業の中で、お茶に関する知識や貴重な体験をしたりする取組を行っていきたいと考えております。

渥美よしき渥美よしき

海外向け栽培への転換支援など周知していくという答弁がございました。隣の島田市では、茶海外輸出支援事業補助金というものがあります。このような補助金を菊川市で導入することについて、方針を伺います

担当職員担当職員

他市では、輸出を目的とした取組事案がきっかけとなりまして補助事業を制度化したということで、以前お聞きしております。また、国の補助事業になりますけども、有機栽培への転換の支援としまして、改植や未収益となる期間に対する補助メニューがございます。これまで市内の生産者におかれましても、この補助金をご活用いただいております。
また、輸出用のお茶の残留農薬の検査につきましては、無料で検査を実施していただける機関がございます。本年度におきましても、市内の生産者の方にご紹介をさせていただきましてご活用をさせていただいております。引き続き国の補助金を活用した支援に努めてまいりたいと考えております。

渥美よしき渥美よしき

お茶の輸出について調査研究に努めていくという答弁がございました。2020年の日本茶輸出額の52.1%をアメリカが占めています。また、アメリカへの輸出額のうち、72%が粉末状のお茶であります。この現状を踏まえると、抹茶の生産や製造ということも視野に入れるべきだと考えられます。
そこで、質問です。抹茶の原料となるてん茶の生産と太陽光発電をうまく組み合わせている事業者が市内にいらっしゃいます。これは先進的ですばらしい発明だと思います。農水省の営農型太陽光発電システムフル活用事業というものも活用しながら、お茶掛ける太陽光発電というのも菊川市で推進していくのが一つアイデアだと思うのですが、その方針について伺います。

担当職員担当職員

太陽光を農業生産と発電を共有する取組ということになりますけども、こちら実施される場合には、まず農地法上の許可が必要となりますので、関係課とも連携が必要となります。ただ、メリットとしましては、こちら考えられるメリットなんですけども、農業経営の安定化、それから、農地の有効活用ですね。また、再生可能エネルギーの利用によります農産物の付加価値化、このようなことが効果として期待されると考えております。
一方で、収量、量ですね、や、また品質、こちらへの影響も出ないかなど課題もございますので、まず、私も知っていますけども、市内の実際にやられている先進事業者様から内容をよくお聞きして、検証してまいりたいと考えております。

渥美よしき渥美よしき

農薬基準のクリアについて、農地中間管理機構の現状と課題を洗い出し、茶園放棄地とマッチングを強化したり、あるいは、有機茶農地の計画的かつ柔軟な集積が今後必要だと考えられますが、その方針について伺います

担当職員担当職員

耕作放棄地の解消並びに今後の農業経営の形態ですね。こちらについては、地域が抱える大きな課題だと認識しております。中間管理事業を活用して、農地の活用などの支援を合理的に進める必要がありまして、関係機関とこちらも話し合いながら進めていくことが最も大事であると考えております。

渥美よしき渥美よしき

アメリカなどでニーズの高い抹茶の生産工場の建設に対して、補助や推進をするということについても方針を伺います。

担当職員担当職員

昨年度報道されました事例によりますと、他市の地域なんですけども、複数の市の茶商さんとか、茶農家さんが共同出資されて設立された会社がございます。こちらが有機抹茶工場、専用の工場だと思います。建設費用につきましては、国の補助事業をご活用されて実施しております。本市におきましても、昨年度、ある地域、地区で新茶工場を法人化したということで、同じような国の補助制度を活用して設置されております。市としましても、このように産地生産基盤を強化する事業についても推進しておりますので、引き続き国の制度を有効に活用しながら推進していきたいと考えております。

渥美よしき渥美よしき

菊川市茶業振興計画検討委員会には、現在、生産専門部会、流通専門部会、文化・消費専門部会がありますが、新たに輸出専門部会というのを設置するというのが一つ考えられますが、その方針について伺います。

担当職員担当職員

本市におきましては、茶業振興計画の検討委員会が設置要綱に基づきまして設置されております。この要綱の中では3つの専門部会がございまして、まず一つは、生産の部門、それから流通の部門、それから文化・消費、これらの専門部会で構成されてるわけなんですけども、議員がおっしゃる輸出につきましては、流通の専門部会の中で輸出については検討をしていきたいと考えております。各専門部会の構成につきましては、今後予定しております会議の場で決めていきたいと思いますので。

渥美よしき渥美よしき

市内の輸出先進事業などと連携・対話について答弁がございました。その現状と今後の方針を伺います。

担当職員担当職員

今年度に入りまして、茶業の関係者様のご紹介で、お茶の関係者様のところに、先進事例やられてる方のところに伺っております。大変私も勉強をして、有意義な場だったと本当に認識しております。このように、今年度は積極的にそのような場をつくっていきたいと思いますので、まずは推進していくという気持ちでおります

渥美よしき渥美よしき

輸出の販路確保についての答弁がございましたが、行政がリーダーシップを取って、菊川のお茶というのを世界ブランドとしてつくり上げていくということについて、その方針を伺います。

担当職員担当職員

ブランド化ということでございますけども、まずは、菊川茶の認知度を高めていくことも一つ重要なポイントになるかなと考えられます。現在、市では、インバウンドに対応した茶袋の製造だったり、菊川市の茶業協会なんですけども、多言語化でホームページのほうを作成しております。
また、議員の皆さんにもたくさん買っていただいたんですけども、ポロシャツにはKIKUGAWA GREEN TEAという文字をつくって、積極的に横文字を採用して、こちらも世界に発信するという姿勢で考えております。
さらに、世界に向けての考え方の一つとしては、このKIKUGAWA GREEN TEAに加えて、深蒸し発祥の地並びに茶草場農法、こういったものを追記する、していくっていうことも非常に大事であり、付加価値がつくかなって考えておりますので、こういうこともいろいろ研究しながら進めていきたいと考えております。

渥美よしき渥美よしき

輸出について最後になりますが、「空気の研究」なんていう本もありますが、日本人というのは、意思決定において空気を読むということが非常に重視しております。お茶の輸出においても、海外輸出もできるんだ、やっていくんだという空気感をつくり上げていくことが実はかなり重要で、そこがスタート地点かとも思います。
先日、アエルで行われた「静岡茶航海記」という劇でも、お茶は海外輸出にも大きな希望があるんだということを、改めて思い出させてくれました。ぜひ、まずは、この劇団との連携も含め、輸出の空気感をつくり上げていってほしいと思います。輸出の空気感をつくっていくということについて、最後に方針を伺います。

担当職員担当職員

輸出に向かう姿勢、空気感をつくっていくというご質問ですけども、まず、市長答弁でも申し上げましたけども、今後、海外でのお茶の需要は、議員がおっしゃるとおり、伸びていくものと考えております。国でも緑茶の輸出数量につきましては、令和2年度から10年後には5倍を目標に掲げております。今後におきましては、国の動向に注視、それから、消費者のニーズを的確に把握するということが大事ではないかなと考えています。これが、まさに議員がおっしゃる空気を読む、そういうことだと考えます。
また、その空気感ですが、そちらをつくっていくことも我々行政の役割だと考えます。

渥美よしき渥美よしき

小・中学校での急須で入れたお茶を飲むことについて質問をいたします。
市内400名以上の中学生が、毎年卒業をしております。小・中学校の9年間で彼ら・彼女らに急須でお茶を飲む習慣をつけられることができれば、年間400名以上の緑茶消費者を確保できる可能性があります。きっと地元の菊川茶を一生飲み続けてくれることだと思います。
そこで、現在の小・中学校では、通算年間で何回急須でお茶を飲む機会があるか伺います。また、年間、今より数回でも急須でお茶を飲む機会をさらに増やしていただきたいと考えますが、その方針について伺います。

担当職員担当職員

1つ目の現在の小・中学校では通算何回急須でお茶を飲むかという件ですが、現在、小学校では、学校ごと異なりますが、年間1から2回程度となります。中学校では、急須でお茶を飲むという機会はありません。
2つ目の質問ですが、現在の学校現場状況、さらに、限られた給食時間や様々な教育活動が盛り込まれている中で、その指導に伴う時間を確保するということは、大変厳しい状況があります。
小学校の学習指導要領過程分野に、我が国の伝統的な日常食に触れるということもあります。小学校5年生の家庭科の授業では、お茶を入れようという学習の中で、ガスコンロの使い方とともに、実際にお湯を沸かし、急須に茶葉を入れてお茶を入れ、そのお茶を頂くという機会があります。また、総合的な学習の時間では、先ほど答弁にもありましたが、出前授業でお茶の入れ方を学び、そして、お茶を頂くという機会があります。そうした学校での学びであるとか、貴重な体験を生かして、子供が家に帰って家族と一緒に、そして、家族に子供が急須で入れたお茶を飲んでもらう、そんな機会が持てたらなというふうに考えております。

渥美よしき渥美よしき

ぜひ、お時間もないこととは思いますが、年にプラス1回でも、プラス2回でも何とか時間をつくって、年に1回でも飲む習慣をつくっていただければと思います。