駅北整備計画への請願(駅北整備慎重派)
請願に対しての反対討論
私は請願4-1「菊川駅整備事業計画に関する請願書」について、反対の立場で討論致します。 この請願の内容は、駅北整備計画について「議会による審査」そして「執行部および議会による市民説明」、この2点が不十分であるため、「特別委員会の設置」そして「市民説明の場を設け広く意見を聴取すること」を請願するものであると、理解をしております。 この請願の採択を判断するに当たっては、確認すべき前提が2点あると考えております。 1点目は、駅北整備事業そのものについての賛否とは、区別して考えるべきということです。この請願はあくまでも「特別委員会による審査」や「市民説明・意見聴取」など審議過程への言及であり、事業そのものへの賛否とは別次元の内容です。正当な表決のためには両者の混同は避けるべきであると考えます。 2点目は、「特別委員会による審査」や「市民説明・意見聴取」が十分であったか、不十分であったか、という議論は非常に重要ではありますが、最終的には、限りなく終わりのない議論になってしまうということです。どこまで行っても、不十分と言えば不十分、十分といえば十分という事です。そして、その議論には時間的・人的コストも発生します。この様な議論を必要以上に続けることは、必ずしも市民全体の利益に繋がるとは限らないと考えます。その様な性質の議論で有ることを捉える必要があると考えます。
以上の前提を踏まえると、この請願の採択の判断基準としては、請願で言及される「特別委員会による審査」や「市民説明・意見聴取」を新たに行うことによって、市民の利益に繋がるような本質的な議論の進展や方針の転換の可能性があるか否かということが重要であると思います。 広報菊川2月号には、駅北事業のこれまでの歩みが記されています。平成26年度から執行部と市民との対話、執行部と議会との対話の実績・事実が記されています。また、この間、議員の皆さんも、市民の皆さんとの対話を継続されてきたことと存じます。私自身、議員になってからですが、チラシや市民勉強会などを通して、市民のみなさんとの対話を行って参りました。これらの少なくとも約8年に渡る実績を踏まえると、請願の言及事項によっての、市民の利益に繋がるような本質的な議論の進展や方針の転換の可能性は見出すことは難しいとおもいます。 以上の理由で、私はこの請願については不採択するべきものと考えます。
若干藪から棒になってしまうのですが、「因縁」という仏教の言葉があります。これは、現時点のこの世界のというのは、過去のあらゆる原因と縁の相互作用によって成立しており、たった1つの原因や、たった1つの縁が欠けていたら、現在は成立していないという意味です。非常に含蓄のある言葉ですが、この反対討論を考えているときに浮かんだ言葉です。 先ほど、駅北事業に関する予算を含む、令和4年度当初予算が採択されました。この採択という結果は、これまで駅北事業に携わってきた、全ての皆様の言動、行動が相互に影響を及ぼしあった、一つの結論であると考えます。事実、私も市民の会の方のご指摘や市民みなさんの直接の声を受け、駅北事業に関する情報発信や市民との対話が重要であると、改めて感じ、チラシの作成や新聞折り込み、市民勉強会の開催に至ったという経緯がございます。この請願の審議も含めて、団体・市民のみなさん、市長・執行部職員のみなさん、議員のみなさん、それぞれの言動、行動が一つでも欠けていたら、この結論には至らなかったと確信しております。 我々議員は、そのような一つの結論を重く受け止め、今後は、駅北事業を前提とし、菊川市民全体の利益のために、これからどのように駅や駅周辺を活用していくか、そのような議論すべきであると考えます。
「草薙カルテッド」という団体があります。これは、都市再生推進法人という仕組みを利用して、草薙駅周辺のまちづくりを産学官民が協働して担っていくための団体です。これは一つの例です。菊川でも市民協働の取り組みが正に広がっているところです。我々が今後考えていくべきことは、そのような市民協働などによる駅や駅周辺の利活用の議論と対話です。我々議員が率先して、その議論と対話を推進していくべきであると考えます。 以上のことから、今回の請願は、以上のよう意味でも不採択とし、今後の前向きな取り組みにバトンを繋げるべきであると私は考えます。それが菊川市民の利益に繋がると確信しております。