質問趣旨

令和6年度の菊川市の予算では、『学校の未来を考える会』で、市の教育の長期的な方向性について検討が行われることが示されました。このテーマは、児童生徒やその家族、教職員だけでなく、市全体にとっても重要です。今回は、教育の未来を考える議論が、市民に開かれた形で行われるべきだという視点から質問いたします。

質問と答弁(要約)

AI要約

1.小中一貫教育の在り方検討会の概要と今後の方針
渥美議員:「小中一貫教育の在り方検討会」の設立経緯、目的、メンバーについて。また、提出された意見書の内容と今後の方針について伺います。
教育長:「学びの庭」構想に基づき、菊川市に適したコミュニティ・スクールの導入を目的に設立されました。学校、教育、地域の将来像を踏まえた理想的な小中一貫教育を検討するため、学識経験者、校長、教職員、地域代表者などで構成されています。提出された意見書には、①保育園や高校との連携の視野を含めること、②児童生徒数の推移を踏まえて学校規模や学区の在り方を多角的に検討すること、③地域と学校が連携して子どもを育てる仕組みとしてコミュニティ・スクールを導入する必要がある、といった意見が盛り込まれていました。これを受け、昨年度「菊川市学舎コミュニティ・スクール運用の手引き」を作成し、本年度からコミュニティ・スクールを開始しています。小規模校の活性化や理想的な学校の在り方については「学校の未来を考える会」に引き継ぎ、当検討会は昨年度末で終了しました。

2. 学校の未来を考える会の設立経緯と今後のスケジュール
渥美議員:「学校の未来を考える会」の設立経緯、目的、メンバーについて。また、具体的な検討内容と市の教育への反映、今後のスケジュールについて伺います。
教育長:「学校の未来を考える会」は、前述の検討会で提起された小規模校の活性化や児童数減少への対応を詳細に検討するために設立されました。目的は、将来の教育方法や学校の在り方を地域実情や児童生徒の成長を踏まえて探ることです。メンバーには学識経験者、校長、教職員、こども園園長が参加しています。本年度は、児童生徒数の推移に関する課題を共有し、小規模校の活性化につながる事例やより良い教育の実現方法を模索し、地域住民との意見交換の準備を進めています。

3. 今後の児童生徒数の推計を踏まえた学校規模の認識
渥美議員:今後の児童生徒数の推計を踏まえた小中学校の学校規模についての認識を伺います。
教育長:一部の学校を除き、多くの学校で小規模化が進んでおり、将来的に複式学級になる可能性があると認識しています。

4. 教育の長期的な在り方における市本庁との連携体制
渥美議員:教育の長期的な在り方を考える際、本庁との密接な連携が重要と考えますが、具体的な方針があれば教えてください。
教育長:児童生徒数の減少や学校規模の小規模化について、庁内会議で全ての部署に情報提供し、共通認識を図っています。地域支援課、企画政策課、こども政策課などと課題を共有し、幅広い分野での連携が必要と考えています。
渥美議員(再質問):まちづくりや人口政策にも関わるため、早期の密な連携が必要と考えますが、具体的な方針について伺います。
教育文化部長:現在、教育環境の充実に向けた検討を教育関係者中心に進め、市長部局の各課には会議資料を提供しています。今後、具体的な議論が進展する際に、財政や地域との連携が必要になると考え、タイミングについては教育委員会と市長部局で検討していきます。

5. 地域住民や保護者との意見交換の準備状況
渥美議員:地域住民との意見交換に向けた準備状況について教えてください。
教育長:本年度は意見交換の準備を進め、令和7年度には地域住民代表者を含めた協議を行い、令和8年度からワークショップや意見交換会を予定しています。
渥美議員(再質問):具体的な準備内容について教えてください。
教育文化部長:小学校別の児童数推計、学校施設の築年数や規模、小規模校活性化の事例などを資料にまとめ、市民に情報提供する予定です。
教育長:「学びの庭」構想のもとで地域と連携し、学校を核とした地域づくりを進めてきました。今後も地域や多様な立場の方と共に、学校の在り方を考えることが重要であり、ダイバーシティや多様性に対応できる学校を目指していきます。

総括
渥美議員:教育の在り方は菊川市の未来を左右する重要なテーマであり、今後、住民や保護者、児童生徒と丁寧で開かれた形で話し合いを進めていただきたいと思います。

質問と答弁(全文)

渥美よしき渥美よしき

次に、質問事項3、菊川市の学校の未来について。 菊川市の令和6年度当初予算では小中一貫連携教育推進費が計上され、業務内容として学校の未来を考える会の開催が示されました。菊川市学校の未来を考える会要綱では、会の所掌事務として市の長期的な教育の在り方について検討すると示されています。学校や教育の長期的な在り方については、児童生徒や保護者、教職員だけではなく、菊川市全体が関わる重要なテーマです。 今回の質問は、菊川市の学校や教育の長期的な在り方についての議論は、開かれた形で行われるべきという立場で質問をいたします。 1、小中一貫教育の在り方検討会の設立経緯、目的、メンバーを伺います。また、在り方検討会から教育長に提出された意見書の内容と、意見書を踏まえた今後の方針を伺います。 2、学校の未来を考える会の設立経緯、目的、メンバーを伺います。また、考える会では具体的にどのようなことが検討され、市の教育にどのように反映されていくのか、今後のスケジュールを踏まえて伺います。 3、菊川市の今後の児童生徒数の推計を踏まえ、小中学校の学校規模についての認識を伺います。 4、菊川市の長期的な教育の在り方を考える際は、教育分野だけではなく菊川市の地域や財政など全般が関係していると思いますが、菊川市本庁等との連携体制はどのようなものになっているか伺います。 5、学校の未来を考える際に、今後想定される地域住民との意見交換や児童生徒、保護者への意見聴取について現時点での方針があれば伺います。 以上、登壇での質問でございます。


教育長教育長

教育長の松本です。私からは、3問目の菊川市の学校の未来についてのご質問にお答えします。 1つ目の、小中一貫教育の在り方検討会の設立経緯、目的、メンバーは。また、提出された意見書の内容と今後の方針はについてですが、菊川市小中一貫教育の在り方検討会は「学びの庭」構想の今後の取組として、本市に合ったコミュニティ・スクールを導入していきたいと考えたことから設立したものであり、本市の小中一貫教育を推進するに当たり、学校、教育、地域の実情や将来像を踏まえたあるべき姿について検討することを目的としていました。メンバーは学舎運営協議会委員長、学識経験者、校長、教職員、学生、学校評議員、PTA、地域の代表者、社会教育委員で組織されておりました。 また、本会から提出された意見書には、菊川市小中一貫教育「学びの庭」構想の今後について、保育園・こども園との交流や高校との連携も視野に入れて取り組んでいくこと、学校規模と学区の在り方について、市内の地域実情や児童生徒数の推移などを鑑み、様々な方面から多角的にある程度時間をかけて検討を重ねていくこと、菊川型コミュニティ・スクール及び学校を核とした地域コミュニティについて、学校と地域がともに支え合って子どもを育てる仕組みとしてコミュニティ・スクールの導入を進める必要があるとの3点、意見がありました。これを踏まえて、昨年度に菊川市学舎コミュニティ・スクール運用の手引きを作成し、本年度からコミュニティ・スクールを開始しております。 なお、小規模校の活性化や児童生徒の利益に資する学校の在り方については、学校の未来を考える会に引き継ぎ、当会は昨年度末をもって終了したところであります。 2つ目の、学校の未来を考える会の設立経緯、目的、メンバーは。また、検討内容と今後のスケジュールはについてですが、菊川市学校の未来を考える会は、小中一貫教育の在り方検討会で出された学校規模や小規模校の活性化などの課題を引き続き詳細に検討したり、子どもの数の急激な減少への対応を考えたりすることで設立したもので、学校や地域の実情、将来像を踏まえ、よりよい教育方法や学校内・学校間の連携など、子どもの学びや人間形成を図っていくための有効な未来の学校の様々な在り方について検討することを目的とし、協議しております。メンバーは学識経験者、校長、教職員、こども園園長で組織されています。 検討内容として、子どもの数の推移などの課題を共有し、本市としての学校の在り方を検討しております。本年度は小規模校の活性化につながる事例や本市の現状を踏まえた上で、児童生徒にとってよりよい教育につながるような方法を模索し、地域住民との意見交換を行うための準備をしております。 3つ目の、今後の児童生徒数の推計を踏まえ、小中学校の学校規模についての認識はについてですが、一部の学校を除き学校規模は小規模化が進み、学校によっては複式学級となり得る可能性があると認識しています。 4つ目の、菊川市本庁などとの連携体制はについてですが、児童生徒の数の減少や学校規模の小規模化については、庁内会議などで全ての部署に情報提供をしており、共通認識を図っております。また、地域コミュニティの担当となる地域支援課や人口減少担当の企画政策課、幼保連携となるこども政策課とは、学校の未来を考える会での課題認識を共有しているところでございます。 これからの教育を考える上では、共生社会、男女共同参画、企業との連携など幅広い分野において連携が必要であり、それぞれの担当と連携を図っているところです。 最後に、地域住民との意見交換や児童生徒・保護者への意見聴取の方針はについてですが、本年度は現在のメンバーにて地域住民との意見交換を行うための準備を進めております。令和7年度には、現在のメンバーに地域住民の代表者なども加え、意見交換会に向けた協議を進め、令和8年度から地域住民及び保護者の代表者とのワークショップや意見交換会を開催する計画でおります。 今後も子どもたちにとってよりよい教育環境を提供するように模索し、丁寧に進めていきたいと考えております。 以上で、渥美議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。ありがとうございました。

渥美よしき渥美よしき


1番 渥美です。次に、質問事項3の学校の未来について再質問させていただきます。こちら2番目の質問の再質問になるんですけども、失礼しました、2番目ではなくて4番目ですね。4番目の再質問をさせていただきます。 菊川市の長期的な教育の在り方を考える際は、本庁との連携というのは遅過ぎることはあっても早過ぎることはないと思っていまして、早い段階からまちづくりとか人口政策にも関わるので菊川市全体として取り組んでいく必要があると思うんですけども。 今、情報共有をされているというお話だったんですけども、やはり関連する会議の参加など密に連携をしていくべきと思うんですけども、これは早過ぎるということはないんじゃないかなと思うんです。いろいろ準備はあると思うんですけど、できるだけ早めにそういった連携も進めていただきたいと思うんですけども、具体方針があれば伺えればと思います。

担当職員担当職員


教育文化部長です。 現在の検討会につきましては、教育委員会のほうで教育環境の充実に向けた方策を検討するということの中で、教育関係者を中心に委員を募って検討を進めているところです。こんなこともありまして、市長部局となる関係各課には、その会議の資料提供をするなどで情報提供をさせていただいているところです。 今後もう少し具体的な話になってくるかと思いますけれども、そういった際には議員がご指摘のように、例えば財政ですとか地域ですとか、そういった関係者と連携が必要になってくるかというふうに思いますので、どういうタイミングで、どこで、どのような連携が必要になるかというあたりにつきましては、検討会の中、それから教育委員会と市長部局の中で少し検討をしていきたいというふうに思っております。 以上です。

渥美よしき渥美よしき


1番 渥美です。次に、5番目の質問についての再質問になります。 住民との意見交換などについて今、いろいろ準備をしているというご答弁がありました。多分、いろいろな資料をつくったりとかデータを集めたりしているのかなと思うんですけども、どういった準備をしているのか、答えられる範囲で伺えればと思います。

担当職員担当職員


教育文化部長です。会議の中で、少し市民向けに情報提供ということで、少し今進めているところです。一応また説明会等を開いていくわけですけども、そこで情報提供する資料としましては、当然のことながら小学校別の児童数の推計ですとか、学校施設も関係がありますので築年数ですとか規模のデータ、そんなものを考えております。 あとは小規模校の活性化につながる事例、そういったものとか、子ども達によりよい教育につながる方策、そんなものを今検討しているところですので、そのあたりを情報提供して資料としていきたいというふうに思っております。 以上です。

教育長教育長

少しお伝えさせてください。 「学びの庭」構想を描きまして、今7年目を迎えております。最初は小中一貫教育を基盤として学校、そして地域、そして保護者と連携していく学校地域協働活動も含めながら中心に動いてまいりました。そして、今回コミュニティ・スクールとなっております。 今、ぜひお伝えしたいことは、よく言われますけども地域とともにある学校、そして学校を核とした地域づくりが、当初から、「学びの庭」構想をつくったときからまさにそれが両輪であって、その両輪をつなぐのはあくまでも子どもの学びであり、子どもの教育であり、子どもの成長だと考えています。 そして、学校やそこに通う子ども達を縁として今度は人々がつながっていく、まさにこれがコミュニティ、今度やっていくコミュニティだと考えております。 こうしたことを基盤にしてやっていく上で、やはり常に地域との連携ということから多くの人々、幅広い世代、それから立場も様々な方々、そうした方々と共に今度未来の学校の在り方を考えていく、これはコミュニティ・スクールを通しての大切な部分だと考えております。ですから、未来の学校という、今度新しい会をつくりましたけれども、全て延長線上にある中で動いているというご理解をいただきたいなというふうに思っております。 実はコロナを境にしてGIGAスクール構想が一気に推進したことは、議員もご承知かと思います。同時に、個別最適な学びと協働的な学びというものが出てきまして、教育のほうも大分変わってきました。ですから動きも全国的に変わってきまして、いわゆる小規模校も活性化するという意味もかなり考え方が広まっているし、多様な考えも出てきております。 それからやはりもう1つは多様性、ダイバーシティ、いろんな子どもに対応できる学校。本当にそういったことを今後皆さんと共に考えていく必要があると思っています。ぜひまた、いろいろなアドバイスをいただきながら進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。 ちょっと今の思いを伝えさせていただきました。ありがとうございます。

渥美よしき渥美よしき


1番 渥美です。これで終わらせていただきたいと思うんですけども、今、教育長自らおっしゃってくださいましたので、答弁を聞いていてもいろいろ段階を踏んで着実に進めていっていただくということが分かりましたので、今後このテーマというのは教育に限らない菊川の未来そのものを左右するものだと思いますので、これから住民の方とか保護者、児童生徒との話合いがあると思うんですけども、いろんなやり方があるんですけども、非常に難しい問題でもあると思いますので、ぜひ、丁寧に十分に時間をかけてかつ開かれた状態で進めていっていただければと思います。 以上で、私の一般質問とさせていただきます。ありがとうございました。